住宅の外壁は、太陽の陽射し、風雨、そして季節の変化などに常に晒され、これらの要因からくる経年劣化を受けやすい部分です。

しかし、多くの方は外壁のメンテナンスをあまり重要視していません。

特に、外壁塗装を20年以上放置しているような場合、建物全体に深刻なリスクが生じる可能性があります。

最初に懸念されるのは、防水性が失われること。

外壁の劣化により、雨水や湿気が建物内部に侵入しやすくなり、これがじわじわと建材を傷め、部材の腐食を招くことがあります。

また、外壁の強度や耐久性も20年を超えたあたりから性能の低下が顕著になります。

耐久性が落ちると、風や地震などの外部からの力に対する建物の弱さが増し、構造の安定性が損なわれる可能性があります。

さらに外壁の劣化は断熱性能にも影響を与え、冷暖房などのエネルギー効率の悪化につながります。

その他にも、見た目の美観が損なわれることも挙げられます。

外壁が剥がれ、色褪せ、汚れが目立つようになると一気に建物の古さを感じるように。

外観の劣化は不動産の価値を下げ、売却や賃貸に支障をきたす可能性もあります。

このように、外壁塗装を20年間以上放置することは、建物の安全性、耐久性、エネルギー効率、そして美観の面など、様々なリスクを抱えることになります。

定期的なメンテナンスの重要性を理解し、適切な時期に外壁塗装を行うことが、安全で快適な住環境を確保する鍵となります。

先ほど目次1でもお伝えしたように、建物の外壁は、季節の変化や様々な外的刺激に直接さらされているため、経年劣化は避けられません。

外壁が20年間も塗り直されていない場合、多くの建物ではいたるところに劣化を表すサインが現れ始めます。

①色褪せや塗膜・塗料の剥がれ

まず一つ目は、材質の色褪せや塗膜・塗料の剥がれが見られることです。

外壁の色がくすんで見えたり、塗膜がはがれている場合、これは塗装が劣化している兆候です。

また、外壁にカビやコケが発生している場合も注意が必要です。

カビやコケは建材の劣化を早めるだけでなく、見た目にもよいものではありません。

②クラック・ひび割れ

もう一つのサインは、クラックやひび割れです。外壁に亀裂が入ると、雨水や湿気が建物の構造内に浸入しやすくなり、躯体の劣化を早めるリスクが高まります。

さらに、外壁の表面がごわついている場合も、塗装の劣化を示しています。

これは塗膜が柔軟性や均一性を失い、本来の機能を果たせなくなってきたというサインです。

これらのサインが見られる場合、外壁塗装の適切なタイミングが訪れていることを示しており、早めの対処が重要です。

上記以外にも、ご自身の建物と同じ時期に建てられた建物が外壁塗装工事を行っている場合も、そろそろ外壁塗装をしたほうが良い時期に差し掛かった、と認識すると良いでしょう。

家の側面や裏側などは、普段なかなか目にすることがないかもしれませんが、外壁を定期的に確認することは非常に大切です。

少し見ない間に一気に劣化が進んでしまうこともありますので、定期的に状態を見ることを心掛け、必要に応じた再塗装で建物を美しく保ちましょう。

外壁塗装は建物の耐久性や美観を維持する上で欠かせない重要なメンテナンスですが、その際に気になるのが費用と工事の期間ではないでしょうか。

■費用目安について

外壁塗装の費用は、実際には様々な要素によって左右されます。

まず、塗装する建物の規模（広さ）や形状、使用する塗料の種類などが大きな影響を与えます。

一般的に、大きな建物や複雑な形状の外壁ほど塗装には多くの時間と手間がかかるため、それに応じて費用も増加します。

また、使用する塗料の種類やブランドによっても価格に差が生じます。

高品質な塗料は耐久性が高く、美観を保つ効果が長続きしますが、その分コストも高くなります。

では以下に、あくまで目安となりますが、一般的な広さ別の塗装費用相場をご紹介します。

20坪：50～80万円

30坪：60～100万円

40坪：80～120万円

50坪：90～150万円

60坪：110～180万円

70坪：130～220万円

80坪：150～250万円

以上、あくまでひとつの参考としてご覧ください。また、建物の高さや外観によっては足場を組む必要があるため、足場の設置費用も考慮する必要があります。

■期間について

工事期間については、建物の大きさや形状、外壁の状態によって異なりますが、通常は1週間から2週間ほどの工期が一般的です。足場を組む必要があるかどうか、また、塗装を行う時期の天候や気温にも左右されるため、作業日数が変動することもあります。

長い間外壁塗装を怠ってしまうと、建物は安全性、美観、耐久性の面で深刻な損害を受けることがおわかりいただけたでしょうか。

一つの目安として、20年間以上の放置は、防水機能の低下や構造の安定性低下を招きます。

計画的で適切な外壁塗装によって、これらのリスクを未然に防ぎ、建物を長寿命かつ美しい状態に保つことを心掛けましょう。

費用と期間に関しては、信頼して依頼できる業者を探すことからはじめ、プロのアドバイスを受けつつ、予算やスケジュールを調整し、定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。

外壁塗装は単なる美観の維持だけでなく、建物の健康を守る不可欠な手段です。

ぜひこのことを認識し、積極的に検討してみてください。